「宝彩有菜アドバンスコース」付録１2　
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0１2 　「シンプルに生きる」
　　宝彩有菜

内面をみる、見方を変える、ヴィジョンを招く。

フィリ53号(2000/10)

毎日の生活にどこと言って問題は無いはずなのに、なんとなく元気がでないとか、もっと言えばなんとなく憂鬱だとかということがあります。何かを頑張ってするという気力もないですから、日中あまり活動しないでいると、夜も寝つきが悪くなったります。すると睡眠不足で翌朝また調子の悪い日が始まったりします。

いったい何が問題なのでしょう。
「考え方」がシンプルでないことが問題である場合が多いようです。頭はずいぶん沢山のエネルギーを使っていますが、それが正しく使われずに浪費されている訳です。それをチェックして直せば驚くほど元気になれたりします。

今回は、この「考え方をシンプルにする」というのをやってみましょう。
（浪費型の考え方に気づく）
まず、考えたことが自分の行動につながらないような「考え方」は、浪費型かもしれません。それを疑ってみましょう。

例えば、
「バッグが欲しいけれど諦めている」、「文句を言いたいけれど我慢している」、「好きだと言いたいけれど、勇気が無い」、「イルカと泳ぎに行きたいけれど友達がいない」などなど。

考えたことが、そのまま、元気のないことになっています。要求や要望はあるのに、それらが満たされていませんから、これらのテーマは何度も繰り返し頭の中に登場してきます。その度に未解決のまま、また頭の隅に追いやる作業を繰り返すことになります。出したり戻したり、思考エネルギーの無駄です。

なぜ、そうなるのでしょう。実はこれらの文章には省略されて消えたセンテンスがあります。まずそれを補ってみましょう。
「バッグが欲しいけれど、新しい服も靴も必要だ。だから、バックだけ買っても持って歩けない。今の私には無理だ。諦めている」
「文句を言いたいけれど、言うと相手を怒らせて私が不利になるかもしれない。今の私には無理だ。我慢している」
「好きだといいたいけれど、そう言うと『ごめんなさい』と振られるかもしれない。すると立ち直れないかもしれない。今の私には無理だ。勇気が無い」
「イルカと泳ぎに行きたいけれど、今の私には無理だ。友達がいない」

さて、もう、おわかりだと思いますが、「今の私には無理だ」というのが省略されています。確かに正しい認識ですが、はたして「将来も無理」なのでしょうか。実はその部分も一緒に省略してしまっています。ですから、欲求不満や諦めが残るだけで、ちっとも前向きな力が出てきません。

欲望や要望が起こってくるのは良いことです。生きている限り当然です。でもそれを今実現するのが苦しいからと言って、それを隅に追いやってしまっては元気がなくなります。

もっと、シンプルに考えてみましょう。すると元気がでます。こうします。

（シンプルな考え方）

単純に考えを進めていきます。

例えば、「バッグが欲しい。でも、今の私にはお金が足りない。だったら、お金を貯めよう」
一直線です。シンプルです。
「文句を言いたい。でも、今言うと損をする。そうだ、もっと立場が変わってから言おう。だから、今はしっかり自分のことをしよう」そう、できることをやる。一直線です。また、しっかり自分のことをしていると相手との関係も必ず変わってきますから、短時間で思わぬ良い結果になるかもしれません。
「好きだと言いたい。でも、振られたら立ち直れないかもしれない。そうだ、振られても落ち込まないほど、自分を強くすればいいのだ。すると『せっかく、好きだと言ってあげたのに、私を振るなんて、あんたの方がお馬鹿さんよ。見る目がないのよ』と言える。それくらい、いい女になろう」
と思い直した途端に背筋がしゃんと伸びて、すぐに本当にいい女に変身できます。

（シンプルに考えると元気になる）

もう少し練習しましょう。
シンプルに考えると元気になります。
「イルカと泳ぎに行きたい。でも友達がいない。だから行けない。と思うと元気がなくなるなぁ。そうじゃなくて、シンプルに考えるんだった。友達がいないのだから、ええと、シンプルに、そうだ友達を作ろう。いないのだから作るのだ。いや、待てよ、行けば友達はたくさんできるんじゃないかな。できると思う。だったら、そうだ、単純に行けばいいのだ。行きたいのだから行けばいいのだ。なんだ、そうなんだ。そうと決まれば簡単だ。シンプルだなぁ。『行きたい』、だから『行く』。
あはははは、超、シンプル。さっそく『行く準備』をしよう」

頭の中をシンプルにしましょう。どんどん考えた方向に進めてみましょう。
人生は何かを達成したり、目的地に立つことではありません。
人生は行動です。進んでいくことです。目的が見つかったらそれにエネルギーを使う。それが楽しいのです。歩いていれば、必ず笑いや涙や本物の感動に出会えます。元気になります。勇気が出ます。そして愛や勇気にあふれた人と出会えます。一緒に感動できます。それは人生の喜びです。
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（宝彩有菜）
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