「宝彩有菜アドバンスコース」付録　(homeへ)

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001 「色に憩う」

人間は発光している。皮膚も色を感じる。色と感情は深い関係がある。「色に憩う」と命が輝く。

Fili掲載(1997/9-10)vol38. 「色と心の関係を探る」号

　蛍は発光します。

　実は人間も発光しています。

　真っ暗な部屋の中で超高性能光センサーを裸の人間に向けると全身いたるところで、紫や黄緑の小さな光が瞬いています。アルコールやニコチンが体内に入るとさらにその瞬きは盛んになります。アルコールが燃焼したりニコチンが解毒される時にも光が出るからです。

　怒り・嫉妬・心配・悲しみなど、どんな感情でも、とにかく感情が動くと身体もすぐに化学的にも変わりますから、それに伴い色々な光が出ます。ですから身体が発する光の色を調べれば病気の予防に使えるのではないかという研究も開始されています。

　しかし、精神世界では昔から色が癒しに有効であることは良く知られていたことですし、私たちも日常で「この色は落ち着く」とか「この色は気分が明るくなる」と経験的にもよく知っています。

　このように色は感情と深い関係があります。
　色が何千通りもあるように、感情も何千通りもあります。　言葉で表現できる色や感情は実は代表的なものだけです。
　
　ちなみに三原色の、赤は火、青は水、黄色は光を表しています。赤と黄色を加えたオレンジ色は、火と光ですから太陽の色です。青と黄色を加えた緑色は水と光ですから光合成をする葉の色です。
　
　この三色に白と黒を加えればすべての色はこの組み合わせでできます。その白は「若い・軽い」、黒は「古い・重い」を表します。
　
　たとえばピンクは赤と白つまり火と若いですから、ピンク一色の部屋でお酒でも飲んでいるとどんな仲の良い友達同士でも喧嘩になるくらいカッカと熱くなってきます。
　
　色は光の波動です。光はエネルギーです。エネルギーですから色に良い色、悪い色はありません。
　感情も同じようにエネルギーです。ですから感情にも良い悪いはありません。怒りも嫉妬も喜びも悲しみもそれ自体は単にエネルギーです。ただどんなエネルギーもそうですが、それが流れずに滞っていると身体に悪いのです。
　
　感情を上手にコントロールするには、その感情を上手く流すことが必要です。するとその感情は消えてなくなります。どんな嵐も過ぎ去れば青空が広がるようなものです。
　
　でも、怒りが消えてなくなるのは良いけれど喜びも消えてなくなるのでは困ると思う方もあるでしょう。しかし、願いが叶ったり、欲しいものが手に入ったりして嬉しいのは、ある面では悲しみや悔しさと同じものです。同じ系列の感情です。ですから喜びも悲しみもすべて消し去ります。するともっと根源的な嬉しさ、この宇宙に在ることの歓喜が沸き上がってきます。
　
　ではどうしたら、それらの欲得に絡むすべての感情から自由になれるのか。
　
　その方法の一つに「色に憩う」というのがあります。
　またこれを始めれば、心はすぐに青空になります。心身ともに爽やかに健康になります。

　やり方は簡単です。こうします。
　
　まず、心の中で「これから『色に憩う』をする」と宣言します。
　つぎに何も考えないで、目に映る色をゆっくり見ます。この時、色の名前を考えないでください。物の形を考えないでください。とにかく、言葉は一切使わないでください。「これはカーネーションだ」とか「これは赤だ」とか思わないことです。良く見ると赤と言っても千も万もあるのです。それらの微妙な色合いは言葉になりません。

　言葉にすると、もはや心は色を見なくなります。
　言葉にすると、もはや対象を見なくなります。
　判断しない。
　比較しない。
　単に色がそこにある、それをそのまま感じる。するとそれだけで今まであった感情は消えてなくなります。感情が変化するのではなくて、霧が晴れるように消えて無くなります。これが色に憩うの即効的な効果です。
　
　でも何も考えずに色に憩うと言っても最初はちょっと難しいかも知れません。でも大丈夫です。コツがあります。こうします。
　まず、色はどんな色もすべて「半透明なのだ」と思ってください。色の奥から本体が透けて見えているのだと思います。するとすぐにもっと色の深まりを感じられます。色がしっとりと輝いていてきます。
　その時できれば呼吸にも注意してください。ゆっくりと腹式呼吸をしながら見ます。すると色がさらにつややかにそして鮮やかになってきます。
　
　この「色に憩う」を、毎日少なくとも一回、五分から十分間やってみてください。やってみると分かると思いますがどんな日常のありふれた風景や物でも驚くほど豊かな色で満ち満ちているのに気づくと思います。

　宇宙からの豊穣なプレゼントだと嬉しくなります。そのようなひとときが一日のうちに一度でもあると、その一日がずっと生気に満ちた、奥深いものになります。生きている嬉しさが何かしら戻ってきます。
　三カ月ほど続けてみてください。
　すると、こちらから輝かせようと見ていた世界が、突然今度はあちらから勝手にしかも爆発的に圧倒的なパワーで輝き始めます。それはそれは物凄い体験です。この宇宙が突然極彩色に光り輝くのです。そのときは自分と宇宙が完全に一緒になったと実感します。ああっ、ああっ、と言葉を失います。

宝彩有菜