権力を持っていたり、支配力を持っている人は対人関係に力が持てて強くなりそうです。
普通、王様は家来に命令できます。社長は社員に命令できます。親は子供に命令できます。
ですから、支配できる人は強い人と思いますね。
で、自分が弱いと思っている人は、なんとか強くなろうとして、人を支配しようと試みます。
人を支配できれば自分は対人関係に強い力を持てると思います。
自分が苦しい目に会ったり、辛い目に会わずにすむと思います。
たとえば大好きな恋人を支配できれば、いろいろな心配から解放されます。
嫌われるのじゃないかという心配や、いつまでも愛してくれるだろうかという不安な気持ちを立て直せます。
恋人が自分のいうことをちゃんと聞いて守ってくれれば自分は安心です。
それで、こう言います。
「私以外の人を好きになっちゃダメ」
たとえこれを可愛く言っても、支配ですね。命令しています。
ですが、恋人は社長と社員の関係ではありませんし、王様と家来の関係でもありません。対等の関係です。ですから、支配はできません。
相手が聞いてくれないから、支配ができないのではありません。相手が自分を愛してくれていないから支配ができないのでもありません。相手が優しくないから言うことを聞いてくれないのでもありません。相手も対等な恋人だから支配ができないのです。
支配できないものを無理に支配しようとすると、失敗します。
失敗すると「弱い自分」だから、失敗したと思います。
失敗すると「ダメな自分」だから、失敗したと思います。
失敗すると「魅力が無い自分」だから、失敗したと思います。
そして、落ち込みます。魅力の無い自分のイメージをますます自分の中で確定してしまいます。
間違っていますね。
正解は、「支配できないものを支配しようとしたから失敗した」です。
沈む太陽を引き戻そうとしたり、取れない月を取ろうとしてはいけません。
その上その原因を自分の力の無さにもってきてはいけません。
失敗するのは、自分の魅力や実力とは関係がないことです。
失敗しないためには、こうします。
支配しようとすると失敗するのですから、支配しないようにすればいいわけです。
当たり前ですが、支配しようとしなければ、「支配できない」という失敗はありません。
それでは愛が確かめられないと考えてしまうようでしたら、それは、「愛」ではなくて、自分の「支配能力」が確かめられないと言っているのと同じです。
愛は主従関係ではありません。対等です。
愛を確かめ合いたい相手とは、ですから、けっして支配、被支配関係を持ち込まないことです。
人生の中には、学校や仕事の関係、社会の関係などで色々な人と出会います。その中で愛をずっと交し合いたい取っておきの相手とは、支配関係は持ち込まないことです。
その相手が異性であろうと同性であろうと、年齢が上であろうと下であろうと同じです。
これは人生における愛のきまりです。
「愛に支配は持ち込まない」
恋人だけでなく、恋人から夫婦になっても、また、その間に子供が生まれて親子の関係ができても同じことです。支配関係はけっして持ち込まない。
愛と言ってもわかりにくいですから、ちょっと説明しますと、
愛とは、
「私とあなたがこの地球に、同じ時に同じ場所にいることは、素晴らしい。
あなたの笑顔をみたり、あなたが頑張っているのを応援するのは楽しい。
さらに、あなたの役に立てたり、あなたを元気付けたりすることできれば、それは私の最大の喜びだ。
私はあなたとこの地球にいることがとても好きだ。」
というものです。
ついでに、支配はつぎのようになります。とても簡単に支配になりますから注意してくださいね。
「私とあなたがこの地球に、同じ時に同じ場所にいることは、素晴らしい。（だから、いつも私のそばに居なさい）
あなたの笑顔をみたり、あなたが頑張っているのを応援するのは楽しい。（だから、いつも機嫌よく、頑張りなさい）
さらに、あなたの役に立てたり、あなたを元気付けたりすることできれば、それは私の最大の喜びだ。（だから、私の言うことをききなさい。私はあなたの役に立とうとしてるんだから）
私はあなたとこの地球にいることがとても好きだ。（だから、あなたも私を好きだといわなければならない）」
このように「愛」と「支配欲」は、ほんのわずかの距離しか離れていません。「愛」はすぐに「支配」になりやすいのです。
そして、もう一度いいますが、支配になった途端に失敗して落ち込みます。
そして、自分が弱く惨めになってまいます。すると、また、強い自分を目指してさらに支配しようとします。間違いですね。
間違いを直すのは簡単です。「支配」をやめれば、すぐに「愛」に戻れます。
そして「愛」の立場に戻れば、実はそれこそが最強なのだと実感できます。愛に立脚していれば心配も恐れはありません。あるのは感謝と喜びだけです。
愛すべき人との関係がギクシャクしていたら、「支配」が入り込んでいないかチェックしてみてください。
(c) all copyrights reserved Alina Hosai ,2001
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