宝彩有菜の「人生百科」(home)/(index)
| （30） 「過食につい」て」（その４） （いつ、「サバＤ」はスイッチオンになるのか） そのスイッチをオンにする必要の無いときは、オンにしない。 何かよい方法があるのでしょうか。 その方法を見つけるために、まず、どのような場合に「サバＤ」という”素晴らしい仕組み”のスイッチがオンになってしまうのか、そのポイントをしっかり観察してみましょう。 これは、「頭」と「肉体」の関係です。つまり、「頭ボス」と「肉ボス」の関係です。 普段の生活では、「肉ボス」は、「頭ボス」の言うことをよく聞いて、従っています。「頭ボス」のことを信頼しています。「頭ボス」は肉体を健康で、清潔に保つように日夜配慮してくれているからです。 「頭ボス」が、いつもちゃんと考えてくれているから、飢えもしないで、食事もとれて、幸せに生きてていけます。美味しいものが食べられるというのは、なんと幸せなことでしょう。ありがたいことです。 と、「肉ボス」は普通は「頭ボス」に服従しています。 ところが、ある時、「肉ボス」が「頭ボス」の言うことを聞かなくなることがあるわけです。「肉ボス」が「頭ボス」から指揮権を奪う場面です。その問題の場面を詳細に見てみましょう。 ------------------------------------------ （問題の場面） ------------------------------------------ 「頭ボス」はなにやら最近元気がありません。何か心配か、問題が有るようですが、「肉ボス」にはそれが何であるか良くわかりません。また、分かったとしても「肉ボス」が「頭ボス」に代わってアレコレ考える訳にもいきません。考えるのは、「頭ボス」の役目です。 「頭ボス殿、頭ボス殿」 「あっ、はい、なんですか、肉ボス殿」 「なんだか、最近元気がないですねぇ。肉体各支部も不幸感がただよってますけど・・・」 「ああ、ちょっと、問題があってね。ああやっても、うまくいかないし、こうやっても、うまくないし、うーん、うーん、 ああでもない、こうでもない、しかし、とはいえ、ああ、うう、ああ、うう」 「大丈夫ですか、頭ボスどの」 「ああ、なんとか」 「あのー、とても、全体的に不幸感がみなぎってるんですが、なんとかなりませんか」 「だから、それを今、考えている所なんで、あの人に認められたいのだが、しかし、プライドもあるし、ああだら、こうだら・・・・」 「あのー、この不幸感は、いつ消えるんでしょうか。末端の支部では不調になりはじめているところも出てきているのですが」 「ああ、そうですか。ですから、今、それを考えているんですが、ああ、私は無視にされているかもしれない、そうかもしれない、しかし、そうはいっても、ああもいってたし、でも、しかし、ああだら、こうだら・・・・」 「あのー、いつ、払拭されるんでしょうか」  「何がですか、肉ボス殿」 「何がって、この不幸感ですよ。いつになったら、幸福になれるんですか」 「いつと言われても・・・」 「ちょっとの間だけでも幸福になれれば、それでいいんですけど、無理ですか」 「うーん、それを今考えているところなんですけど、あの人が声をかけてくれたら、でも、しかし、ああだら、こうだら、会社が・・・時間が・・・お金が・・・・ああだら、こうだら・・・・」 「あのー、まだでしょうか？」 「もう少し、ああだら、こうだら・・・・」 「まだ、ですか」 「ああだら、こうだら・・・・」 「あのー」 「だから、ああだら、こうだら・・・・」 「ま・だ・で・す・か」 「も・う・す・こ・し・・・・」 「まだ？」 「もう少し・・・・」 「ああああ、もう、待てませんよ。いいですか、ちょっと幸福になれば、みんなも回復するんです。ですから、もう、待ってられませんから、私流でやってもいいですか」 「いやー、しかし、もう少し待ってくれたら、解決すると思うのだけど、でも、あの人が、ああだら、こうだら・・・・・」 「ええい、もう、限界です、待てない。その指揮権をこっちに渡してください」 「あっ、駄目です」 「じゃあ、幸せになるメドはあるんですか」 「それが、ちょっと・・・」 「幸せになれるんですか？」 「だから・・・」 「だからじゃなくて、幸せになれるか、なれないか？」 「幸せになれるだろうか、どうだろうか、ああだら、こうだら、・・うう、苦しい・・」 「頭ボス殿、本当に幸せになれるんですか！」 「さぁ・・うう・・・・」 「幸せに！」 「ううう・・・・・」 「（駄目だ、こりゃ！ もう待てない）ええいっ、よこせっ」 とついに、「肉ボス」は「頭ボス」から、指揮権を奪ってしまいました。 そしてそれを高く掲げて言いました。 「よーし、今から、幸せに向かって進むぞー」 「おーっ」「おーっ」と、肉体各支部から、一斉に歓喜の声があがりました。 「冷蔵庫にケーキが残っている」 「わーっ」「わーっ」 「それを、食べるぞー」 「わーっ」「わーっ」 「肉ボス」の号令で、肉体各支部はイキイキと活気を取り戻しました。 頭ボスが気付いて、「ああ、そんなことをしたら、また、落ちこんでしまう。」と小さな声で言っても、だれも聞いてません。 「肉ボス」を先頭に、幸せに向かって意気揚々と行進しています。 パクッ 「おいしい〜〜、おいしい〜〜」 パクッ 「おいしい〜〜、おいしい〜〜」 「肉ボス」は、幸せ感が体中に行き渡って、みんなが生き返ったので、顔をほころばせています。 そして、「頭ボス」が考えすぎで調子がおかしくなっているときは、やっぱり、私が指揮権を取らなきゃ駄目なのだと、熱い紅茶をすすりながら確信しています。 --------------------- さて、これで、「サバＤ」がスイッチオンになるポイントがわかりました。 それは、「肉ボス」が「頭ボス」に、 「幸せになれるんですか！」って聞いたときですね。 その時が「頭ボス」としては、自分の肉体への指揮権を守る最後のチャンスなのです。 このときに、「頭ボス」が、「さぁ」とか、「今は難しい」とか言うと、「肉ボス」は、それでは私が代わって、幸せを手に入れてあげましょうと、指揮権を奪い取ります。 ですから、「肉ボス」が、「幸せになれるんですか！」って聞いたときに、うまく立ち回らなければならいないということです。 どう、立ち回るか、それを、先ほどの例でやってみましょう。 --------------------- 続きを読みますか？ （はい、いいえ） 宝彩有菜 (C)All copyrights are reserved by Alina Hosai 2005 ---------------------------------------------- |
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