「宝彩有菜アドバンスコース」 付録１6
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掲載 Fili掲載(1997/3-4)vol35.
「失敗のパターンを手放す」号
恋愛はポジティブシンキングを修行するのに絶好の機会です。ポジティブシンキングを修得して素晴らしい恋愛をしましょう。そして恋愛の勝者になりましょう。
そう言うと普通まず恋愛の敗者にならないように注意しようと思います。つまり「振られないようにしよう」と普通は思うのですが、その「振られないようにしよう」が実はネガティブシンキングですから、それでは上手くいきません。悪くすると振られてしまいます。
振られまいとすると振られます。なぜ、そうなるのか。それを説明します。
普通誰でも「振られたら嫌だ」と思いますから「振られないようにしよう」と言うのは当然ですが、「振られたら嫌だ」と心の底で思っていることは実は「振られたら大変だ。もし振られたら落ち込んだり回復不能のダメージを受けるかもしれない。これは危険なことだ。避けるべきだ」と思っていることです。
するとマインドは危険を回避する方策を考えます。それが「振られないようにしよう」の表現になります。
でも振られないようにいくら努力しても振られないという確信を持つ事はできませんね。振る決定権を持っているのは自分ではなく相手だからです。「振られないようにしよう」といくら努力しても、振られないという確信が持てないのであれば困ります。
そこでマインドはこう考えます。
相手が振る権利を持っているから不安なのだ。だから相手から振る権利を奪えば安心だ。つまり相手を支配しようとします。
しかしご存知のように相手を支配しようとした瞬間に、本当の恋愛は終わってしまいますね。支配や依存の関係は恋愛とはまったく別物です。
支配する方法では不味いと分かっていますから、マインドは今度はこう考えます。
「支配は不味い。しかしいくら努力しても振られるかもしれない。もし振られたら大変だ。立ち直れなくなる。だから万一振られた場合にも、なるべくダメージの少なくなるような付き合い方にすべきだ。距離を持って付き合うべきだ」
と今度は振られた後のダメージをなるべく少なくする方策を考え始めます。つまり現在の恋の進行より、振られた後の対策ばかりをマインドは練っているわけです。
そうなると、たとえば大好きな相手から豪華なデートに誘われても
「一生思い出に残るような素敵なデートをしたいけれど、でも待てよ、もし振られたら逆に一生悔やむ思い出になるだけだぞ。危ないぞ。やめた方がいいぞ」と心の底で躊躇してしまいます。
すると
「ああ、素敵ね。でもその日はちょっと都合が悪いの。たいした用事じゃないんだけど、でもやっぱり先約だから。約束を破るのは良くないしぃ」
と逃げてしまいます。
本当に命を掛けた恋なら、先約を断ることくらいなんともないのでしょうが、マインドが「そんな素晴らしい思い出を作ってしまったら危ない危ない。振られたら思い出すのが超つらくなるぞ。だから、やめとけ、やめとけ」と心の奥から囁くからです。「やっぱり先約があるしぃ」と気弱く断ってしまいます。
せっかく豪華なデートに誘ってもそんなふうに断られると、相手も段々面白くなくなってきます。そして最終的には確実に振られます。
これを直すのは簡単です。「振られたら困る」と思っているのをやめるだけです。「振られたら困る」というネガティブシンキングを解消してポジティブシンキングにします。
具体的にはこうします。つまり「振られたら困る」を「私はこの人と一生一緒に居てあげる」に直します。思い方の対象を変更します。「振られた後の惨めな自分の姿」を思い描くのではなく、「一生一緒に居る楽しさ、嬉しさ」だけを思い描くように頭を切り換えます。「一生一緒にいてあげる」にします。
一生一緒にいるのですから「この人が病める時も調子が悪いときも、ずっとずっと一緒にいてあげる」になります。もっと簡単に言えば「私はこの人を愛して行く」ですが、愛というと分かりにくくなりますので「一生一緒に居てあげる」と具体的に言いましょう。その方が強力です。ポジティブシンキングは具体的にイメージすればするだけ強力になります。
「一生一緒に居て欲しい」ではありませんよ。それは自分の欲です。「一生一緒に居てあげる」です。これは「愛」です。
その意識がしっかりできると、マインドはつまらない心配をしている暇が無くなります。一生一緒に居てあげるのですから、素敵な思い出を作るのも当然です。何の躊躇もありません。素晴らしい思い出を作れば一生楽しめるというもんです。ですから自然に、どのようにしたらもっと楽しくなるだろう、もっと素晴らしい思い出になるだろうと、考え方が積極的になってきます。明るくなってきます。
さて、豪華なデートに誘われました。こんな素敵なデートに比べたらつまらない先約なんか当然キャンセルです。遠くまで行くんです。宿も景色の良いところがいいのです。夕日が綺麗だということですから、そうだ、イブニングドレスも用意しておきたいところです。するとブラも新調した方が良い。あっ、それと、白いサンダルも絶対に持って行きましょう。
と、今の生きる楽しみにエネルギーが使われ始めます。楽しい工夫や嬉しい準備に頭が忙しくなります。心がウキウキしてきます。顔が輝いてきます。振られるとは、全然思っていませんから強いのです。結果として相手から「ああ、この人と一緒にいたら楽しいなぁ」と思われます。つまり振られません。
「振られたら困る」とネガティブの思うのが不味いのです。「振られたら困る」を「この人と一緒に居てあげる」に変えてください。「私を愛して欲しい」を「私はこの人を愛する」に変えてください。愛していたら結果として振られることは少なくなります。
愛していないと結果として必ず振られます。当たり前ですね。「愛して欲しい」は全然、愛していませんよ。
簡単ですが間違い易いので注意してくださいね。
また、愛していたらたとえ万一振られたとしてもダメージを受けませんよ。不思議でしょうが、これは奥の深い真理なのです。
愛されたいと思っていると振られた時に必ずヒドいダメージを受けます。ダメージとは欲が満たされないときに発生するものだからです。
愛してください。それですべて解決します。愛してください。それが最強です。ポジティブに考えてください。それが愛です。この人と一生一緒に居てあげる。それは自分自身で決定できることです。だから強いのです。だから、必ず恋愛の勝者になれます。
（宝彩有菜）
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